派遣の特殊な事情について

派遣会社の多くが登録型を採用しています。一度出向した会社に対しては連続して就業可能な期間が3年間までと決められているので、契約期間が満了した後は別の出向先へ移動するか、直接雇用へ切り替える必要が出てきます。中には直接雇用へ切り替えてから再度戻れば良いと考える人がいますが、実際に直接雇用から派遣への切り替えをするためには、1年間の空白期間を設けなければなりません。雇用安定と逆行する働き方は、法律により制限されているわけです。

直接雇用に切り替えたにも関わらず、正社員として雇用されない理由として、解雇に対する規制が厳しいことがあります。日本国内では、一度採用した従業員を解雇するためには正当な理由が必要となり、契約期間満了以外の理由で雇い止めをすることは厳しく制限されているわけです。正社員の人数を最小限とし、契約社員や外部からの出向者で賄う業務スタイルは、製造業だけでなく多くの会社で採用するに至りました。中には業務請負契約という名目で実質的な派遣が行われている実態があり、違法な就業環境に無いか労働者側でチェックしておかなければなりません。

人件費をいかに削減するかという点から導入された非正規雇用ですから、余程のことが無い限りは正社員として高い給料を支払って正規雇用に切り替える会社は少ない状況です。最初に働き始める段階で、何のために就業を行なうのか明確に理由付けしておかなければ、人件費削減目的のみで雇用されてしまうので注意が必要となります。